やはり、「グリーン社会づくり」を目指したい!
「グリーン社会」というと、地球温暖化を減速させるための社会づくりというイメージですよね。何か遠い未来のような感じにとらわれる傾向にあります。ところが、実際にはそうではなく、着実に皆さんの目の前まで近づいているんです。
図1に一般に言われている「グリーン社会」の全体像の事例を示しました。この社会ではエネルギー源がグリーン電力¹⁾、グリーン水素²⁾から成り立っており、温暖化減速に対して理想郷と考えられているエネルギー社会です。島国である日本にいると中々実感できませんが、この社会づくりは特に欧州をはじめとしてお隣の中国も同様に、着実に進めてきています。先進国の中で、日本は大幅に遅れていると言わざるを得ません。特に、2022年2月に勃発したウクライナ紛争が拍車を掛けて、ロシアから欧州に対して、天然ガス等のエネルギー供給が断たれようとしています。
したがって、特に欧州は非常に厳しい状況下に置かれようとしています。残念ながら、地球温暖化の減速という生ぬるい目標よりも化石燃料を主としたエネルギー源が断たれるという方が、欧州全体に対しての深刻な問題になってきました。2020年に欧州全体としては50兆円をグリーン水素開発に投資することを表舞台では表明していましたが、裏舞台ではロシアからの供給が断たれるということが現実味を帯びてきました。
ところで、日本も他人事ではありません。化石燃料はほとんど海外からの輸入で成り立っているのです。したがって、欧州がロシアを恐れている状況よりも、日本の化石燃料依存度はさらに深刻な状況なのです。首の皮1枚の外交によって何とか成り立っているというのが、日本の実態なのです。
したがって、グリーン社会づくりを大きく加速させるには、国(政府)、クルマ会社、電力会社、燃料供給会社、そして国民が互いに歩み寄り、早急に下記に示した具体策に取り組む必要があると思います。特に、代表者の専門分野である「クルマ社会」を通じて「グリーン社会づくり」に貢献することは、くわな科学技研の重要な指針であると考えました。以下がその具体的な手段となります:
1)国(政府)➡グリーン電気、グリーン水素開発生成への助成(投資)
2)クルマ会社➡グリーン電気によるEV・PHVの革新的な開発推進
3)電力会社➡再生エネルギーよるグリーン電気の生成・供給
4)燃料開発・供給会社➡e-Fuel³⁾の生成・供給
以上の手段により、少なくとも先進諸国並みの歩調にグリーン社会づくりの歩調を合わせていきたいと考えております。
注1)グリーン電気☛再生エネルギーで発電された電気
注2)グリーン水素☛グリーン電気により電気分解されて生成された水素
注3)e-Fuel☛グリーン水素Hと大気中のCO2を分解して生成した炭素Cの合成液体燃料