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第2章 クルマのCO2は下った?

しばらくは、Tank-to-WheelのCO2議論に!

「クルマのCO2低減」というと何か難しく聞こえるが、クルマの燃費低減のことを指している。燃費と言えば、一般にはクルマの燃費を意味するが、当然エンジン単体の燃費である燃料消費率(gr/kWh)も専門家ではよく使われる燃費指標だ。これは1kWh当たりのエンジン仕事が燃料消費量何グラム必要なのかを表している。燃費(gr/kWh)が少ないということは、エンジンからのCO2発生量が少なく、エンジンの熱効率ηが高いということになる。

一般には1Lのガソリンで何㎞走行できるのかという、クルマの燃費(㎞/L)が良く使われる。クルマの燃費(㎞/L)が良いことは、クルマの発生CO2が低く、クルマの全体効率ηが高いことを意味している。そして燃費(㎞/L)とCO2(gr/㎞)の関係はほぼ反比例の関係にある。

ではさらにクルマが持つCO2の枠を少し広げてみよう。燃料精製・輸送時に発生するCO2を考慮して議論する際に使われるのが、Well-to-Wheelの燃費、CO2、効率であり、図1にその概略図を示した。

図1 Well-to-Wheel効率ηTとTank-to-Wheel効率ηT2

出典☛「電気自動車が一番わかる」石川憲二@技術評論社;p25 より加筆

エンジン正味熱効率ηeが重要な意味を持つ!

 EVはWell-to-Wheelの世界で発生CO2量を考えると、Well-to-Tank効率ηT1に比例したCO2がほとんどであり、Tank-to-WheelでのCO2はゼロと考えることが出来る。ここからEV化という短絡的な考えが生まれた。Tank-to-WheelからWell-to-Wheelの世界まで拡げると、ガソリン車とEVのCO2量の差は小さくなり、後で議論されるLCA¹⁾では地域によってはEVは発生CO2量がガソリン車よりも多くなるという結果になる。ただ、本章ではしばらくTank-to-Wheelの世界で議論を進める。ここではエンジンが動力源であり、エンジンの正味熱効率ηeが大きな意味を持つ。@2021.1.10記、2021.2.26修正

 

《参考文献および専門用語の解説》

1)LCA☛Life Cycle Assessmentに略。2030年を想定し、自動車のライフサイクルでCO2排出量を評価するLCAの議論が欧州で始まった。

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