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1-5 電流、電圧☛電力

電流、電圧の単位の意味?

 電力が電流と電圧による仕事であることがわかった。そこで、電流と電圧からどうやって仕事率である電力(W)、仕事量である電力量を求めていくのかを説明していく。まずは電流と電圧の単位の物理的な意味について触れることにしよう。

 節1-1で電流とは自由電子が移動することによって電流が流れると説明した。電気的な性質である電荷の持つ電気量の単位はクーロンCである。自由電子eが持つ電荷量は電気素量と言われ、e=-1.602✖10⁻¹⁹(C)と非常に小さい量である。電流の単位にはアンペアA¹⁾が用いられる。そこで、1秒間の間に1クーロンCの電荷量が流れた時、電流は1アンペアAと定義した:

❏電流1A=1クーロンC/秒

ちなみに、電流が1A流れる時、1秒間に一体何個の自由電子が流れるかと言えば、

❏1Aで流れる自由電子の個数

=1クーロン/1.602✖10⁻¹⁹クーロン=6.24✖10¹⁸(個)=624京(個)

というとんでもない個数になる。1Aという電流が持つイメージを想像して頂けたであろうか?以上の結果をまとめた内容を図10にイラストで示した。

図10 電流の定義とは

出典☛「電気の基本としくみがよくわかる本」福田務@ナツメ社;P30 より加筆

電力W=電圧V✖電流I?

 電流の物理的な意味、そして単位は分かったとしよう。では電圧の物理的な意味、単位はどうであろうか?節1-2で説明したように、電圧とは物理的には電荷を押す力(圧力)とイメージすると比較的分かり易い。オームの法則から、より高電流Iを流すためにはより高電圧Vが必要となり、抵抗Rが大きくなると同じ高電流Iを流すにも更なる高電圧Vが必要となるということである。電圧の単位にはボルトV²⁾が用いられている。では1Vとはどんな物理的な意味があるのかと言えば、次の通りである。1ボルトVは1Cの電荷に対して1J(Nm)の仕事で得られる電位差のことと定義されている。つまり、1Vの圧力で1Cの電荷を運ぶ時、1J(=1Nの力✖1mの距離)の仕事量をしたことになる:

❏仕事量1ジュールJ=電圧1ボルトV✖1クーロンC 

では1秒間の電荷の仕事、つまり仕事率はどうなのか?電流1Aは1Cの電荷が1秒間に通過する電荷量であり、その時1Jの仕事をしたならば、電圧は1Vということになる。つまり上記の式を秒で割ると次式が導かれる:

❏仕事率1(ジュールJ/秒)=1ボルトV✖1(クーロンC/秒)=1V✖1A

この仕事率1は1Vの電圧で1Aの電流が1秒間にする仕事量となる。これは節1-4で説明した電力であり、単位はワットWが使われる:

❏電力1ワットW=電圧1ボルトV✖電流1A

つまり、これまで説明してきた電流、電圧、電力は次にような関係となる:

❏電力W=電圧V✖電流A

これらの関係をまとめた内容を図11にイラストで示した。ここまで言葉、単位の定義についてのはなしが続いた。次はいよいよ電流、電圧、電力の意味を頭に入れながら、電池に必要な電解液、電池の基本動作についてはなしを進めて行く。@2021.9.25記

図11 電力、電圧、電流の関係

出典☛「電気の基本としくみがよくわかる本」福田務@ナツメ社;P31 より加筆

《専門用語の解説および参考文献》

1)アンペア(英: ampere、記号 : A)は、電流の単位であり、国際単位系(SI)の7つの基本単位の一つである。アンペアという名称は、電流と磁界との関係を示した「アンペールの法則」に名を残すフランスの物理学者、アンドレ=マリ・アンペール(André-Marie Ampère)に因んでいる。SIで定められた単位記号は"A"であるが、英語圏ではampと略記されることがある。@Wikipedia

2)ボルト(英: volt、記号:V)は、電圧・電位差・起電力の単位である。名称は、ボルタ電池を発明した物理学者アレッサンドロ・ボルタに由来する。@Wikipedia

3)ワットW☛1ワットは毎秒1ジュールに等しいエネルギーを生じさせる仕事率と定義され、SI単位で表すとジュール毎秒 (J/s)。すなわち、1秒あたりに変換・使用・消費されているエネルギー(仕事)を表す。蒸気機関の発展に大いに貢献したスコットランド人のジェームズ・ワット (James Watt) にちなんで名づけられた。1889年の英国学術協会第2回総会で採用された。 @Wikipedia

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