さて、飛び出した「自由電子」はこのままでは自由奔放に飛び回り、陽イオンに帯電した物質、陰イオンに帯電した物質を作るだけです。どちらの電荷も停止した電荷なので、「静電気」といいます。このままでは日常で私たちが使っている「電気」、いわゆる「動電気」にはなりません。そこで、二つの帯電体をつなぎ、電荷(電子)を通過させる「導体」の登場です。代表的なのは皆さんよくご存じの「銅線」ですね。
図1-2を参考にして、説明を聞いて下さい。まずクーロン力で説明します。マイナスに帯電した物質とプラスに帯電した物質を「短い導体」でつなぐと、マイナス側の自由電子は、プラス側のプラス電荷によるクーロン力によって「導体」を通過してプラス側に引き寄せられ、プラス電荷と打ち消しあい、中性となります。次々と自由電子がクーロン力でプラス側に引き寄せられて、ついには両方の物質が中性、帯電状態でなくなります。あえて短い導体としたのは、クーロン力は互いの距離の2乗に反比例して小さくなるからです。
重要なのは陰イオンにいた「自由電子」が「導体」を通って陽イオンに移動したという事実です。これが我々が日常生活で求めている「動電気」の世界で、「電流」という現象です。電流は電子がマイナス側からプラス側に移動することを言うのですが、電流が電子の移動であると後年発見されたため、それまではプラス側からマイナス側に電気は流れるものとしてきました。
ところで、いくらプラス側のクーロン力があったとしても、自由電子はどうやって導体内を流れたのでしょうか?導体が長くなるとどうなるのでしょうか?次節で代表的な導体である「銅の原子構造」、そして次に自由電子が一方向に移動して電流が発生するのに必要なエネルギーである「電位差」「電圧」について説明していきましょう!
注)「電気の基本としくみがよくわかる本」福田務(監修);P12 より引用