この節は電磁気学の導体内にで動き回る自由電子が何故プラス側に移動する「力?」を受けるのか、ということを取り上げます。電磁気学の基本的な考え方です。よく説明に使われる「水位」で説明しましょう!ただし、この説明では残念ながら、⊕電荷に移動を説明していますが、⊖電子の移動が説明できていません。ただ、水位から電位の理解がしやすいため、ここでも取り上げますね。
図1-4に水流と電流との比較を表しています。左側では水位が高い方は水は、パイプを開けることにより、水位の低い方にパイプを通って流れ込み、水位差がなくなると水流は止まります。
一方、電気の場合はどうでしょうか?⊕帯電体と⊖帯電体では、水位と同じエネルギーの⊖自由電子の量に差が多く生じています。この⊖電子の量の差のことを「電位差」もしくは「電圧」と呼んでいます。この図では⊕電荷がパイプ(導線)を通って⊖帯電体に流れ込み説明になっています。マイナスの自由電子の話はどうなったのでしょうか?
注)「電気の基本としくみがよくわかる本」福田務(監修);P16 より引用
図1-5にプラス電荷、プラスとマイナス電荷、プラス電荷同志により生じる「電場(磁場と同じようイメージして下さい)」が発生します。電場は
「電気を帯びた物体(電荷)のまわりにできる、ほかの電荷に力、電気力を及ぼす空間」のことで、電気力がどちら向きに、どれくらい強く働くかを表します。図1-5では、電場は山の斜面の傾きを表しています。そして、電場の向き、電気力は⊕➡⊖となり、図の一番下側にしめした方向へ電荷に影響を及ぼします:
●プラスの電荷 → 電場の向きに力を受ける(反発力)
●マイナスの電荷 → 電場と反対向きに力を受ける(吸引力)
一方、電位はその場所がどれだけ高いエネルギーの位置にあるかを表します。図1-5では電位は山の斜面の位置(高いか低いか?)示しています。
ここで、等電位、つまり山の高さが同じ点を連ねた「等電位面(等水位面)」を示しました。真ん中のプラスとマイナス電荷による等電位面を見てください。電位=水位と考えると、導線内(=パイプ内)では電位は図のように⊕荷電物質から⊖荷電物質に向かって下がっていき、そこに置かれた電荷に電気力を加えます。
ところが、重要な点は影響を与える導線内の荷電子は、⊖の自由電子なんです。すると、図1-6に示したように、等電位の電子に与える電気力は反転して、⊖自由電子を⊖側から⊕側に移動させる電気力が働きます。その結果、導線内で自由に動き回っていた自由電子は一律この力の影響を受けて、⊕側に向かって移動していきます。これが導線内では電流が流れるという現象なんです。自由電子が流れ始めると、等電位の両ピーク点は次第に下がり(波線➡)、ついには平たい等電位面となり、電流は流れなくなります。
この考え方で言えば、図1-4での水流は⊕電荷の動きを示しています。少し説明が難しくなりましたが、電磁気学の非常に重要な点ですので、詳しく説明しました。
注)フォトサイエンス「物理図録」数研出版;P87 より引用
注)「電磁気学がわかる」田原真人@技術評論社;p150
「電気の基本としくみがよくわかる本」福田務(監修);P13 より引用